注文住宅・リフォームの設計・施工
皆さんあけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
地元から長く愛されている昭和初期に建てられたお寺.
このお寺の土台から一部腐食した部分が見つかったので
土台を取替えて修繕させていただきました。
100年前に建てた建築物なので一切金物が使われておらず、
木と木を組み合わせ施工してあります。
長い年月維持するために修繕しやすく施工されており、
先人の知恵に感心させられます。
岐阜県の香り高く色味の美しい東濃檜木(ヒノキ)を使用
今回も伝統構法で当時の手法で再現していきます。
使う木は長年天然乾燥をして木の油分を多く含んだ檜木を選び施工しました。
木は油分を多く含んでいると劣化や腐食がしにくいので外部に使う木は
人工的に乾燥させる乾燥機は使わずに、外でじっくりと乾かした木を使います。
(高温の乾燥機で一気に乾燥すると木の油分が飛んでしまうため。)
天然乾燥の木は削ると木の香りがふわっと漂います。
石に合わせて束を削る/束を据え付ける
石と木が合わさるように木口を石に合わせて削っていきます。
このように石の上に束を据えることを石場立てと呼びます、
今の住宅建築では、コンクリート基礎を立ち上げた上に土台を敷いて家を建てますが、
コンクリートのなかった時代には、石場立てが主流だったそうです。
石場建ては、土やコンクリートと違い表面が平らじゃないので、
木と石の接点の形をなぞり束を据え付ける「光付け」を行いました。
一つ一つの石の形が違うので「光付け」には時間がかかりましたが、
普段は行わない作業がとても勉強になりました。
伝統構法で仕上げるお寺や神社の修繕は、
大工技術を承継していくにもとても良い機会です。
今回は20代の大工も参加させていただきました。
私たちの技術と経験で少しでも伝統的な建物が長く保ち、
地域に愛されればと思っております。