注文住宅・リフォームの設計・施工
住宅街から少し離れたところに、
ご先祖様から受け継がれたA様のお宅が建っていました。
建てて70年余りは経ちますが
作りての「思い」と住まい手の「愛情」が家に込めれられた、
とても良い家でした。ですがいろいろな事情により、
解体して新築をする事になり私たちにお声がけいただきました。
A様の要望は「ぴかぴかの家じゃない方が良いです。」
その言葉でA様が今回の家づくりをどうされたいのか理解させていただきました。
そこで、A様の今の生活に寄り添って間取りを計画し、
素材は以前のお家のものをできる範囲内で使わせていただきました。
建物の解体から私たちが入らせていただいて、
梁・柱や建具を吟味して取り出した際には改めて
造りての丁寧さが伝わり「思いは引き継ぎましたよ」と、
お家にお声掛けして作業を開始しました。
古材の梁が通る場所を示した模型
A様に「新しい住まいのどこに梁が掛かるのか」を、作成した模型を用いて、
説明させていただきました。この模型を作ることで、
設計する側も大工さんもより梁を入れた新居の想像がつきます。
その後は工場で新しい構造材と合うように古い構造材を加工し、
建具は補修してリメイクしていきます。
新しい空間に古い部材が浮かないようにするため、
素材選びと空間づくりにはお客様と何度もご相談させていただきました。
受け継がれた梁が通る、新居の天井。レトロな建具も馴染む住まいへ。
住宅には住む方のそれぞれの「思い」があります。
そんなかけがえのない思いを造り手として大切にしていきたいです。