注文住宅・リフォームの設計・施工
築100年以上前に建てられた風合いあるこちらの小屋。
明治時代後期から何代にも亘り、お家の倉庫として使われてきたこの小屋は、
長年の経年劣化にともない徐々に傾き、手直しが必要となり
この度ご修繕のご依頼をいただきました。
解体を進めるにあたって構造が見えてくると、
先人大工の丁寧な仕事ぶりが見えてきます。
今回は劣化している箇所を交換させていただき、
なるべく元の形に戻るように
先人大工の技術に寄り添いながら施工させていただきました。
庇部分の修繕
元々白色だった庇が錆びて変色してしまった庇。
木の小屋に合うよう同じ材料のヒノキと杉で庇をつくらせていただきました。
腕木と桁が交わる、ヒノキの木組み。大工職人の手刻みが伝わります。
柱の修正
解体していくと、柱が根本だけ白蟻によって不朽しているものから、
全部取り替えないといけないものだったり、柱一つ一つで違う状態が見受けられました。
その不朽具合に合わせて、耐震金物を用いながら新しい木材に継ぎ合わせます。
新しく継ぐ木材には防蟻塗料を塗り木材を保護。
出来る限り残せるものは残して再生していきます。
筋交いを入れる
小屋の外壁四隅に、「筋交い」という建物の耐震性を強くするために、
柱の間にななめに交差させてとりつけた木材をいれます。
100年以上前に作られたこの小屋は、当時は耐震性などの建築法がなかったため、
耐震性ももちろん備わっていません。
なので今回の再生でこれからも末永く使えるように、構造までしっかり補強します。
元の形を大切に、蘇るような再生が完成しました。
「使ってきたものをこれからも大事にする」というお客様の思いを受け、
多くの「再生」ができるように技術力を高めていきたいと思います。
また、こちらは3年前に再生させていただきました鎧張りのお倉です。
木目も綺麗に保たれていて一安心です。
これからも昔の大工の技術を受け継ぎ、建物一つ一つに大切に向き合っていきたいです。