注文住宅・リフォームの設計・施工
先日、蒲郡で新築工事の上棟式を行いました。
上棟式とは家の構造を組み立てた時に安全を祈願してお客様とお参りをする儀式。
お客様と打ち合わせした事が形になるこの日は、設計士や大工にとっても特別な日なのです。
私たちは構造躯体を組み立てる時を建前とも呼び、
昔は建前時にはお餅を投げたり・終わった後に宴会をやったりとお祭りの様相でした。
特に今回は茶室がある家と言う事もあり構造躯体を機械に任せずに大工が木の状態を見て
墨付けして木を刻んで組み立てていきます。
構造躯体のバランスや木の癖を考えて材料を選定して・墨付けし・木を削っていくので、
木を組み立てて形にしていく建前の日は大工にとってもとても思入れ深い日となります。
※刻みとは昔ながらの伝統構法を受け継いだ大工が木のねじれや曲げを考えながら一本・一本の材料に墨を付けて手道具を使って木の繊維をなるべく傷つけずに加工する工程です。
墨付けしている写真
木を刻んでいる写真
熟練の大工が木の状態をみながら削っていきます。
岐阜県の山から運んできた杉の木と桧の木です。木は乾燥の仕方がとても重要なのですが
こちらの木は天然乾燥をした後に低温の乾燥機でじっくりと乾燥していきます。
そうすると、木の脂分を残したまま乾燥する事ができます。
複雑な継ぎ手が家の構造をより一層丈夫にします。これも刻みの醍醐味です。
継ぎ手をたたいている写真
いよいよ夕方になり構造躯体が組みあがったころに上棟式が始まります。
棟梁が塩とお神酒をもち木を清めてみんなでお参りをします。
この日は日中は暑かったですが、夕方には涼し風が通り木に囲まれた空間がとても心地良く感じました。
まだまだ工事は始まったばかりです。
お客様・大工・設計がコミュニケーションを大事にして
完成まで繋いでいきたいと思っております。